寒い朝は起きるのがツライ!という経験があるのではないでしょうか。それが一時のことではなく、日中もずっと眠いままという日が続いていませんか?毎年冬になると、なんとなく体調がすぐれないという女性が多いのです。冬バテや冬季うつなど、寒い季節が及ぼす不調の症状とその対策を紹介します。
冬バテ?冬季うつ?冬にやってくる憂鬱な症状
「冬バテ」という言葉があるのをご存知でしょうか?「夏バテ」なら言葉はもちろん、経験もありますよね。食欲不振で体がダルい夏バテと同様に、冬バテによる体調不良があるのです。
夏バテと冬バテの原因の違い
夏バテの原因の一つは、屋外と室内の温度差です。温度差が激しいと体温を調整が対応しきれず、自律神経が乱れ不調をきたします。また、汗により体内のミネラルが不足し、脱水症状を起こしてしまうのも夏の体調不良の原因になります。
夏とは全く気温の異なる季節の冬バテも、自律神経の乱れによって起こります。ただし、外と中の温度差ではなく、冬の寒さが原因となっています。寒い季節は血管が収縮したり、筋肉が硬直したりします。このような状態のときには、交感神経が活発に働いています。つまり、リラックスするための副交感神経が冬は働きにくい状況にあるのです。そのため、自律神経がアンバランスに乱れ、様々な不調をもたらすのです。
また、冬は一年のうちでも多忙を極める季節です。「冬眠」という言葉があるように、冬は次の春のために休息し、体力を温存する季節です。しかし、仕事やプライベートでやらなければいけないことがたくさんあり過ぎて、どんどん疲労が溜まってしまいます。外食の機会も増え、内蔵もとても疲れる季節なのです。
冬バテの症状とは?
原因だけでなく、夏バテと冬バテは症状も違います。冬バテの主な症状は下記のようなものがあります。
- 胃腸の不調
- 首や肩のコリ
- 体がだるい
- 疲れがとれない
- 気分が落ち込む
- イライラする
- 免疫低下
いまいち調子が良くないのは太陽のせい!?
冬バテのように、冬になりやすい「冬季うつ」。冬という季節の特性が、うつ症状を引き起こす引き金になることがあります。寒さももちろんありますが、冬の大きな特性は日照時間の短さです。私たちの自律神経は、太陽と大きく関係しているのです。
メラトニンとセロトニン
太陽の関わりを知るために、まずはメラトニンとセロトニンの働きを紹介します。
- メラトニン
メラトニンとは、睡眠ホルモンとも呼ばれる眠りに力を発揮する成長ホルモンです。体内時計を調整し、睡眠や覚醒のリズムを整える働きをしています。
- セロトニン
セロトニンは脳内物質の一つで、精神状態を安定する働きがあり、日中に活躍します。このセロトニンは、メラトニンの原料となっています。
太陽とメラトニンとセロトニンの関係
メラトニンとセロトニンは、どちらとも同時に働くことはありません。一方が優勢のときに、片方は劣勢になります。夜に活躍するメラトニンと昼に活躍するセロトニン。どちらも正常に稼働するためには、太陽が欠かないのです。
太陽を浴びることでメラトニンの分泌は減少し、セロトニンが増加します。そして脳は睡眠状態から覚醒状態へと変わります。また、メラトニンは太陽の光を浴びてから約15時間後に分泌を始めると言われています。つまり、朝7時に目覚め太陽を浴びることで、夜10時頃から徐々に睡眠状態へと移行していくのです。
このように太陽の光で体内時計はリセットされ、質の良い睡眠→目覚め→日中の活発な活動を繰り返し、健康的な日々を過ごすことができます。しかし、冬は太陽が出ている時間が短く、光も弱い日が多いために体内時計が狂い体の不調を訴える人が増えるのです。
冬季うつの症状とは?
太陽の光を浴びる機会が少なく、体内時計がうまく調整されずに自律神経が乱れることが冬の不調の原因でもあります。寒い時期に発症することが多い「冬季うつ」は女性に多いとも言われ、下記のような症状が現れることがあります。
- 不眠や過眠
- 日中の眠気
- 何事も面倒になる
- 甘いものの過食
冬にも明るく元気な女性でいるための対策
冬眠から目覚めたときに待っている活動的な春。冬の疲労をそのままにしていると、春まで持ち越してしまいます。春を元気に迎えるため、また冬も明るく過ごすために、冬に重要なことは「リラックス」です。慌ただしい毎日や寒さで交感神経ばかりが働き、体は休息を取れなくなっています。リラックス時に働く副交感神経を高めましょう。
副交感神経を高めるために
交感神経と副交感神経を意識的に切り替えることはできません。体や脳をリラックス状態にしてあげましょう。最も簡単な方法は、筋肉の緊張をほぐすことです。これは、入浴で体を温めることは強ばった筋肉をほぐし、リラックスもできるためとても良い方法です。睡眠の1〜2時間前に入浴を済ませると、ベッドに入ったときには体はすっかりリラックスモードになっているため、質の良い睡眠をとることもできますよ。
食事からのサポートも受けよう
イライラを抑える代表栄養素のカルシウム。カルシウムイオンが緊張状態を和らげてくれます。イライラ解消には、ビタミンCも良いとされています。牛乳や乳製品、フルーツなどで補いましょう。その他、ビタミンBやA、Eなどは自律神経をコントロールする栄養素です。レバーやウナギ、卵や豆類が良いでしょう。
また疲労回復にはALAというアミノ酸が良いと言われています。ほうれん草に多く含まれ、ピーマンやトマトなど緑黄色野菜にも含まれています。他にもバナナやチーズ、豆乳には、セロトニンの生成に有効な必須アミノ酸である「トリプトファン」が含まれているので、冬におすすめの食材ですね。
体内時計とバランスの良い食事
日中も暗い冬に、気持ちも落ち込んでしまいがちですが、体の不調は、色んなバランスが崩れたときに起こります。冬の不調に最も効果的なものは、自律神経や疲労回復のためのバランスの良い食生活、そして体内時計を正常意保つための規則正しい生活、これら二点です。
冬は体を動かすことが少なくなり、そのせいで血の巡りも悪くなります。すると、体に老廃物が溜まり疲れやすくなるのです。他にも、喉が乾かないため水分を摂る機会が減り、水分不足から老廃物が排出されず疲労物質が溜まりやすくなるのも冬です。
このように冬は知らない間に悪循環を起こしやすく、冬バテや冬季うつに結びつきやすい季節なのです。室内でできるストレッチや体操など、適度な運動で体を動かすことも忘れないようにしましょう。
そろそろ健康食品を始めてみたいと思っているけど、種類が多くて選べないという方にはこちらもおすすめです。